2017年01月12日
おたまじゃくしコンサートのご報告
市民会議が昨年スタートさせた「おたまじゃくしプロジェクト」。そのプロジェクト企画として、1月9日に「子どもたちのための おたまじゃくし♪コンサート」を開催しました。
大人はもちろん、復興の未来を担う子どもたちのために、豊かな音楽文化を伝える音楽ホールを仙台に。そんな想いをこめてお届けしたこのコンサートでは、その名前のとおり子どもたちに楽しんでもらえるような曲をたくさん用意しました。出演していただいたのは仙台オペラ協会、NHK仙台少年少女合唱隊、仙台市立立町小学校合唱団の皆さんです。
会場は、せんだいメディアテーク1階のオープンスクエア。朝から降っていた雨はあがり、用意した座席はあっという間に埋まりました。ご両親やおじいちゃん・おばあちゃんに連れられてやって来た子どもたちは熱心にプログラムを読み、「この歌知ってる!」と開演を楽しみに待っている様子です。
いよいよコンサートが始まりました。トップバッターは仙台オペラ協会の皆さんです。ソプラノの大河原真歩さん、岩瀬りゅう子さん、中村優子さんの3人がそれぞれ『ドレミの歌』『ひとりぼっちの羊飼い』『星に願いを』を披露しました。『ドレミの歌』ではドーナツやレモンの絵を見せながら歌うなど、子どもたちがより楽しく音楽を聴けるように工夫しています。中村さんは舞台上ではなく観客席の目の前で歌い、間近で聴く歌声に子どもたちもじっと聴き入っていました。
続いてはNHK仙台少年少女合唱隊の登場です。原田博之さんの指揮と尾澤香織さんの伴奏で、『春のあしおと』『友情の歌』『もしもきのうの場所で』『花は咲く』の4曲を、32人のメンバーで歌ってくれました。一匹の犬との交流を歌った『もしもきのうの場所で』では、2人メンバーが列を離れてマイクの前に立ちました。ソロパートを歌う子と、その歌詞に相槌を打つように「ワン!ワンワン!」と犬の鳴き声をまねする子でした。その可愛らしい掛け合いに、歌が終わると「ブラボー!!」と歓声が飛びました。
ステージ1が終わったところで、佐藤淳一世話人(仙台オペラ協会)が舞台に上がり、プログラムと一緒にお配りしたYESシートの記入を改めて呼びかけました。初めてシートを手にした方も多いようで、皆さん熱心に耳を傾けてくださいました。
その後休憩をはさみ、ステージ2が始まりました。後半のスタートもオペラ協会が務めます。最初にソプラノの角田由貴さんとヒューレット・マリさんの2人が『毬と殿様』を歌います。舞台袖には他の歌い手さんが集まり、「ア ソーレ!」と合いの手を入れて盛り上げました。
二番手はバスの鈴木誠さん。舞台に登場するなり、会場の子どもたちに「俺はタコだ、知ってるかい?」と実に渋い声でご挨拶。ちょい悪タコが、過去に出会った美しいタコとの思い出を語る『タコのブルース』を披露しました。鈴木さんの熱唱に加え、共演した伊藤慎さんのトランペットの調べがより一層の哀愁を誘うのですが、繰り返される「俺はタコ」のフレーズに会場からはクスクスと笑い声が止みません。
次の曲はソプラノ横山いずみさんによる『侯爵様、あなたのような方は』。オペレッタ「こうもり」の中の一曲で、本来の歌詞はもちろんドイツ語ですが、今日はお子さんにも分かりやすいように日本語で歌ってくれました。バリトン野崎貴男さんも有名なオペラ「カルメン」のなかから『闘牛士の歌』を歌ってくれました。子どもたちにはなかなか触れる機会のないオペラの曲ですが、手拍子をしながら一生懸命聴いてくれました。
続いては仙台市立立町小学校合唱団の登場です。13人の子どもたちは、大﨑幸恵先生の指揮と桑原郁子先生の伴奏で、『星の大地に』『COSMOS』の2曲を心をあわせて歌いました。リハーサルではとても緊張した様子でしたが、いざ本番を迎えるときりっとした表情で舞台の上に立っています。曲の合間には、4人の生徒さんによるMCも。舞台袖で先生が見守るなか、これからも地域の人に歌声を届けていきます、と決意を語りました。
最後に全員で舞台に上がって嵐の「ふるさと」を合唱しました。最初で最後の全体練習となった本番前のリハーサルでは、指揮を務めた原田さんが「よく知っている歌だから早くなってしまう、指揮をよく見て」「もっと顔をあげて歌ってみよう」と的確にアドバイス。子どもたちはとても素直に吸収していきます。オペラ協会のピアノを担当していた日野有貴さんの伴奏で、50人近い出演者が声を合わせ、美しいハーモニーを会場に響かせました。
休憩時間や終演後には、多くの方がYESシートに記入してくださいました。おかげさまで、この日は133枚のYESシートが集まりました。ご協力いただき、本当にありがとうございました。